先週の三連休、約一年ぶりに郷里の長野に帰りました。
そうはいってもコロナ禍なので、会いに行くのはごく親しい人だけで、気になっていた場所をめぐる旅になりました。
マスヤゲストハウスで出会った方々
『諏訪式。』で知って気になっていた、上諏訪のリビセン(ReBuilding Center JAPAN)に寄り、マスヤゲストハウスに一泊。
(※リビセンは、古材や古道具を扱う、カフェも併設した文化空間のような場所です)
ゲストハウスの ドミトリー(相部屋)で一緒になった、私とほぼ同い年の人は、長野によく旅行に来ているという京都在住の人。
今勉強している国家資格が取れたら、長野に移住することも思案中だそうです(下諏訪も候補の一つだそうで)。ゲストハウス近くの銭湯に入りに行った際、知らない人同士でも、浴場に入る時に挨拶を交わす、ということが新鮮だったと語ってくれました。
(私もこの銭湯に入りに行きましたが、番台さんの座っている空間の壁にマスヤゲストハウスの電話番号が書かれたメモがあって、私にはなんだかそのことが印象的でした)
また、東京から来たという別の宿泊者の方は、いつか諏訪でワインのお店を出すことを計画中だそうで、リビセンに相談に行ったところ、スタッフさんと話が盛り上がった、と愉しそうに話してくださいました。
地元に住む人(主に移住者の方)と、宿泊者がオープンスペースで場を共有する――そんなひとときはゲストハウスならでは。
また、関西から下諏訪に移住してきたという、ナオトさんという絵描きさんとも出会いました。
(ご作品は、以下のインスタグラムのページで見ることができます)
https://www.instagram.com/naoto.p/
移住するきっかけの一つは、マスヤゲストハウスに泊まったことだそう。
最近は、諏訪をテーマにした絵を描いているとのことで、
来月から長野で初めての個展をマスヤゲストハウスで開くそうです。
(『湖畔にて』4/1(木) ~ 30(金) )
私は残念ながら、行くことが叶いそうにないですが、お近くにお住まいの方は、是非!
※時間帯や休館日などは、以下のHPなどで事前にご確認なさることをお薦めします!
「渦」をめぐる、いくつかの連想
今年に入ってから読んだ、角田陽一郎著『13の未来地図』(ぴあ、2018年)には、今後の社会は「フレームからフィールドへ」「コンテンツから ヴォルテックスへ」という変化を経験するのではないだろうか、と書かれています。
「ヴォルテックス」とは、「渦」という意味だそうで、
「フレームというのは障壁で境界を築いて、外部と内部を遮断します。 そのフレームがない状態における中身とは、人や情報がどこからでも集まってきて、巻き込み巻き込まれ、それがどこにでも拡散していくような渦巻きのイメージなんじゃないでしょうか」と筆者はヴォルテクスについて説明しています。
「移動しながら自分の思考のフィールドを広げていって、そこに渦が出来たのならば、その渦に身を任せて巻き込まれてしまってもいいのだと思うのです。あるいは自分が渦になって人を巻き込んでしまう」
「たくさんの渦がフィールドにあふれていて、巻き込まれたり巻き込んだりしながら、多彩な活動をしていくというのが、未来のあり方なのだろうと思っています」
などという指摘があるのですが、私は今回の短い諏訪旅のなかで、そんな「渦巻き」を垣間見たように思います。
渦巻きと言えば、私(速渡)が昨年から親しくしている陶芸家さんは、「ろくろを使って、土をしっかり掴んで螺旋状に立ち上げてゆく」と語っていたことを思い出しました。
縄文土器は、ろくろを使って作られたものではないと思いますが、渦と土器も関係がありそうだという直感があります。
また、『諏訪式。』のなかで、由井英氏の「諏訪湖は“空”(くう)だね。だからすべてをつないでるんだね」という言葉が紹介されていましたが、渦巻きも中心が「空(くう)」であることを考えると、関わりがありそうです。
きちんとまとまった結論がまだ出せていませんが、今、諏訪圏で起きている渦巻きが、これからどんな展開をみせるか、とても愉しみです。
速渡 普土
札幌市白石区
2021/05/05
飯島さま、コメントをくださり、ありがとうございます。
ケルト模様にも、「渦巻き」があしらわれているのですね!
アイヌの人びとも、「渦」を何らかの意匠に使っているか、調べてみたくなりました。
高気圧や低気圧も渦でしょうから、身の回りの「渦さがし」はおもしろいですね。
コロナ禍も考えようによっては、既存のフレームを壊し、ヴォルテックスな社会への変化の一過程なのかもしれないと感じています。