イギリスのお正月は、あっけなくさっさと終わってしまいます。
カウントダウンと打ち上げ花火をあげたら、元旦は休んだとしても
2日ぐらいから、普通の生活が始まります。
除夜の鐘を聴いて、初詣に行って、御神酒や甘酒を神社やお寺の境内の
焚き火に当たりながら頂いたり、町の自治会が行う餅つきに行って
並んできな粉餅を頂いたり、そんな日々が遠い夢のようです。
今年は、コロナで日本食材も買い出しに行けなかったのでお餅もない正月でしたが
いつもなら、元旦にお雑煮(らしきもの)を作ります。らしきもの、というのは、
食材が手に入らず、実家でいつも頂いていたお雑煮とは程遠いものだからです。
私の実家では、母が父の要望で、関東風のお雑煮を作っていました。
すまし汁に、鶏肉、大根と、桜の形のにんじん、そして父の実家で作った切り餅が入って、
上には三つ葉が浮かんでいます。あっさりして、鶏の出汁も効いて美味しいのです。
私の父は千葉県の内房にある上総湊出身で、母は岩手県の大船渡の出身です。
実家で作るお雑煮は、この父の故郷の味です。
大船渡でお正月を迎えた時は、このお雑煮とはまた少し具が違った気がしますが、
あまり記憶にありません。代わりに1番記憶に残っているのは、お雑煮ではありませんが、
クルミをすり鉢ですってくるみのタレを作り、お餅に絡めて食べるくるみ餅です。
くるみ餅は、ここでしかいただいた事はありません。
もう一つ、思い出深いお雑煮があります。
若い頃にお付き合いしていた方のご実家でいただいた、お雑煮です。
そのお家では、普段台所に立たないお父さんが、お雑煮を作っていました。
そのお父さんは兵庫県出身で、お雑煮にはこだわりがありました。
そのお雑煮は、丸餅と白味噌のコッテリとしたお雑煮です。
丸餅は白いお餅と草餅があったと記憶しています。
背の高い木のお椀に入っていて、味は美味しいのはもちろん、
見た目も素晴らしいお雑煮でした。
小食の私がおかわりを聞かれて、お腹いっぱいなので遠慮がちにお断りすると、
「和ちゃんは、それで命を繋ぐのか!」と笑いながら言われた覚えがあります。
それで、じゃぁ少しだけ…とおかわりしてしまうのです。
もう20年ぐらい前の話です。
それで、これを読んでいただいた皆さんにお聞きしたいことがあります。
皆さんはどんなお雑煮、またはお餅の料理を召し上がりますか。
思い出深いものでも結構です。もし宜しければ教えてください。
もりした かずこ
ヨーロッパ イギリス、ハートフォードシャー
2021/02/24
美惠子さん、お返事をありがとうございます。
私の説明不足でしたが「千葉」の苗字は大船渡の祖父方の名前で、陸前高田出身の祖母の旧姓は「黄川田」と言います。私はお正月に岩手を訪れた事があまりなく、美惠子さんの様に沢山の種類のお餅の記憶がなくて残念なのですが、ずんだや胡麻、エゴマとは本当にお聞きしているだけで美味しそうです。
気仙語訳聖書の存在は初めて知りました!
気仙語は、私にとっても外国語のようです。幼い頃、岩手に行く度に豪快に笑いながら話かけてくれた伯父の言っている事が半分もわからず、伯父に申しわけないと思った事があります。母が近くにいる時は、小さい声で「おじさん、今なんて言ったの?」と聞いた覚えも・・唯一覚えているのは、従姉妹が言った「そうだべっちゃ」という言い回しで、彼女が話す優しい言葉の響きに、方言が話せる事を裏やましく思った事もあります。
イギリスの方言や苗字に関するご質問は、改めて投稿として書いてみたいと思います!