横須賀にあるうみべの絵本屋ツバメ号さんのお誘いで、初めて横須賀で蛍を見ることができた。「夢のような世界よ」と教えていただいた言葉に期待が膨らみ、6月20日の当日を楽しみに迎えた。
京急長沢駅の集合時間は18時半だったが、繊細な蛍は明るいうちは絶対に出てこない、ということで辺りが大分暗がりに包まれる19時半が出発時間となった。集まったのはツバメ号さんの呼びかけで集まった4人と、津久井の自然を守る会のメンバー、10人ぐらいはいただろうか。
案内は自然を守る会の方がしてくれる。長靴、長袖、帽子、虫スプレーをまいて、懐中電灯を持って、真っ暗な山道に入った。足下しか見えず、懐中電灯だけがたよりの、探検隊のよう。20分〜30分ぐらい歩いたころ、到着したのは「鬼が谷戸」と呼ばれている谷戸だった。その場所は、昔から水田だったそうだ。最近では自然を守る会の人たちによって、水田が保たれている。
谷戸では空が見え、電灯はないのに、月の光のためか夜とは思えない不思議な明るさがあった。気づくとすぐそばに蛍が飛んでいた。目が慣れてくると、谷戸の奥にもたくさんの蛍がいることに気づく。ゲンジボタルにヘイケボタル、光り方から違いもわかるようになる。森の様子も見えてくる。蛍もすごいのだが、それにも増して、実はカエルの鳴き声もすごい。
私たちはしばらくの間、カエルの鳴き声の中に身をおきながら、無数のほのかな光が闇の中を自由に行き来する、この不思議な夜の山の時間を楽しむことができた。
人家のある町に出ると、先ほどの山の世界から帰ってきてしまったなぁという気分になった。
身近にあった知らない世界。行かないと見ることのできない世界にまた一つ出会えたような気がした。
この日のことを振り返る時、思い出すことがある。
1つは、年齢的には70代〜と思われる自然を守る会の皆さんの楽しそうな会話。みんな蛍に夢中で本当に生き生きとしていた。もう一つは山道の入り口に整然と並べられた太陽光パネル。そこでは、山の木が切られ、優先された太陽光パネルが並べられていたのだ。話には聞いていたが、こんな風にして太陽光パネルが並べられることは、本当に必要なことなのだろうか。
綾子
横須賀市
2020/08/07
由井さん、コメントありがとうございます。カエルと蛍、どうなんでしょうね。今回はとてもそこまで考えられませんでした。
伐採された山、結構ひどいですよね。私も見るまでは、よくわからなかったんですが。横須賀に住みながら、こんな風に山の木が伐採されているのを知りませんでした。