私の住んでいる街の外れに、ミル・グリーン博物館があります。
博物館ですが、ギャラリースペースを併設している現役の水車小屋で、今も小麦を生産しています。
レンガの建物自体は17世紀に建てられたものですが、今使っている歯車は18〜19世紀のもの。歴史を遡ると、1000年以上前からこの地に粉挽小屋があったそうです。
中には見学スペースがあって、白い作業服を着たおじさんが1人で働いていました。おじさんは丁寧に、この小屋の歴史や石臼でどうやって小麦を挽くのかを教えてくれました。大きな歯車が音を立てて動く様子は、何とも壮大で見入ってしまいます。子供たちは大好きな絵本『Stick Man (邦題:こえだのとうさん)』お話に出てくるような水車を初めて見て、物語を思い出していました。
建物では、ここで生産されている無農薬の小麦を買うことができます。この粉で作ったパン「ミルグリーン・ローフ」は、地元のパン屋さんでも購入できます。私もこの全粒粉でパンを焼いてみたのですが、素朴などっしりとしたパンができました。
地元の小麦生産者と、文化遺産、地元のお店が支え合う地域ぐるみのシステムは、これからもずっと大切に続いて欲しいと思います。
もりした かずこ
ヨーロッパ イギリス、ハートフォードシャー
2020/01/28
Yuiくん、コメントをありがとうございます。
ご質問を受けて、説明不足に気がつきました。ここの写真に映っている石臼と石は、見学者の体験用です。石で挽くよりも、石臼で挽く方がはるかに簡単だと言う事を実体験できるんです。実際にここで小麦粉の生産に使われている石臼は、恐らくもっともっと大きく、別の作業場にあるのだと思います。今度もう一度訪れた時に聞いてみます!
それから、小麦粉の値段は1.5kgで£2.7です。レート換算するとわかりづらいので、感覚で言うと1ポンド100円ぐらいと考えていただけたらいいかもしれません。オーガニックでこの値段は、良心的だと思います。(スーパーでは£3ぐらいです)
今度、地元のパン屋さんで売っているMill Green Loafもご紹介したいと思います。私のも上手にできたら...
石臼と麦のマークは洒落てますよね!日本の伝統的な紋とも共通するものがあるかも知れませんね。