イギリスに来て早13年半になりますが、長い冬は未だに苦手です。9月ごろから気温が下がり始め、4月でも突然雪が降る事もあります。12ヶ月のうち、暖かい季節はたったの4ヶ月ほど。でも長い冬を乗り越えた分、春夏の季節は本当に美しいのです。
1年半前にロンドンから北へ電車で30分ほどのハートフォードシャーに移りました。
小さな家がひしめき合っているロンドンの街並みも、電車に乗って15分ほどすると車窓から緑の野原が見え始め、羊や馬がのんびりと草を食んでいる風景に変わります。
私は東京で生まれ育ち、イギリスはロンドンにしか住んだことがなかったので田舎は少々不安でしたし、せっかく溶け込んだコミュニティを離れて子供たちと一緒に1から出発するのは緊張感と不安がありました。幸い引っ越した月が春に差し掛かる4月半ばであったので、自然が寂しさを癒してくれました。
野原一面に広がる黄色いカウスリップ、森にひっそり咲くブルーベル、そこら中に咲いていたのはかわいい白いデイジーの花、見事な桜の木と、美しいバラ。バラの木にはその後ローズヒップの実がなり、近所の人がジャムを作ると言って取りにきます。
ロンドンでは、どうせ清掃員が掃除するからと、ゴミがそこら中に散乱していましたが、この街は自主的にゴミ拾いをする人もいて、美しい景観を保つことを人任せにしない精神が伝わってきます。
今週初めには0度の朝を迎え、まだしばらく寒さが続きそうですが、束の間の夢のような春を今から首を長くして待っています。
もりした かずこ
ヨーロッパ イギリス、ハートフォードシャー
2020/01/26
Mieko さん、コメントをありがとうございました。ゴミに関しては、同感です。私の父の実家(千葉県富津市)は農家ですが、ゴミは(プラスチック以外は)大抵自分のうちの敷地で燃やし、野菜クズや果物の皮などは、まだ新鮮なうちに牛のエサになりました。牛の糞は畑に運ばれ肥やしになり、小さかった私は畑のそばで遊んでいて肥やしに足を入れてしまった事もしばしば… 父の田舎の思い出もいつか書きたいです。
(絵本は、喜んで頂けて嬉しいです!)