地域 神奈川県川崎市宮前区

【2025/4/12】新しい「一枚の畑から」

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植物・農作物

令和(2019〜)

今日の一枚の畑はひと味違っていた。
ちょうど初めてここを訪れた日から約1年の歳月がたった。
「何か」がありそうなこの場所に魅力と共感を覚えて少しずつ仲間と通っている。

 

新しい挑戦

雨の間隙を縫って、晴れたこの日の畑には春が訪れていた。
何回来ても豊かだなぁと感じるこの畑で何ができるのかそれぞれが妄想を繰り広げる。夢をいっぱいに語ったところで、実際に畑に立ってみる。

 

今日から、この作業を映像でおさめることに挑戦している。ハンディのカメラをお借りして、撮りたい人が撮りたいときに撮影する。これが中々難しかった。撮影しているときは作業ができないし、対象に近づかないと上手く撮影できない。手元だけに集中していると畑の豊かさから遠のいてしまう。動画なら、文章よりも写真よりも、現場の言葉にならない感覚を捉えられるのではないかと思ったけれど、技術が必要であることは間違いない。

 

畑では、スナップエンドウの収穫と、夏野菜の苗づくり、生姜の植え付けを行った。畝ごとにカラスノエンドウやホトケノザなど、生えている緑が異なる。スナップエンドウも畝ごとに成長の具合が全く異なるのには驚いた。しかも最も成長している畝には、一般的に良い土に生えると言われている草が必ずしも生えているわけではなかった。畝の調和がとれているということなのだろうか。よく成長するということは、何かが偏っていると考えられるのか。土は分からないことが多い。
スナップエンドウは、補助のネットに捕まるようにして上に育っている。弦を絡ませるようにしてネットにしがみつく様子は生きものの姿として愛らしい。このネットがなければ倒れてしまうであろうスナップエンドウの姿を見ていると、人間が手をかけることで生きられる植物があるということが分かる。

 

育苗ポットにナス、トマト、小松菜、サラダミックス、バジルを播種する。直播きするにはまだ早いと聞いて、育苗から挑戦してみる。ナス、トマト、小松菜はそれぞれ2つずつ、サラダミックスは5つ、バジルは1つ。どのくらい発芽するのか、もう気になる。この「気になってしまう」感には、人が他との関係を結ぶうえでの大切な何かがある気がする。というのは、「種をまく」ことが最も心が安らぐという由井さんの穏やかな表情が、農というものの新しい可能性を感じさせるからだ。これまでは「食べること」から農を見ていたので、「食べる」に回収されていく農のかたちしか認識できていなかった。ここには何かありそうだ。

 

最後は畑で今日の感想を話す私たちの映像を撮った。思ったより長編で、でも途中でやめようとは思わない。それぞれが、〈わたし〉と○○の関係を捉えようとしている。5年後どうなっているのだろうか。腰を据えて畑と向き合えるような場になっていくように願いを込める。

 

松田理沙

写真

欠かせない土づくり
そっと、種を蒔く
生姜は湿ったところが好きらしい
スナップエンドウの葉はハート型⁉︎
畑仕事のあとのご飯は格別
これからの相棒
2025/04/15

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