2024年12月15日、ライフプラザマリオにて開催された諏訪円卓会議0回に参加した。
高校生の時まで暮らした諏訪に、少しだけよそ者の気持ちを持ちながら来るのは初めてで、不思議な感じがした。
会では、まず初めに由井さんの作品である 『ものがたりをめぐる物語』 の前編を鑑賞した。そこから、 映画を観た感想やそこから生まれた問いを交わし合った。 私は1番後ろから会場全体を眺めていた。初めは緊張感の漂う場であったが、一人目の方が手を挙げて発言したところから徐々に手が挙がり始め、一時は 3~4 人もの人が同時に手を挙げていた。まるで、ゆらゆら揺れる御柱が木遣りの声で活気づき「よいさよいさ」というかけ声とともに一気に動き出すように。場が動いて、どきどきした。みんな、こういう場、自分の気持ちを話せる場を求めていたのかもしれないと思った。
ただ、私は気持ちが昂り勢い余って一人一人の言葉にじっくり耳を傾けたり、相手の言葉に問いを重ねて行くということは出来なかったので、次はもう少し、一人一人の言葉やその背景を探ってみたいと思った。
以下では『ものがたりをめぐる物語』とその後の対話で特に印象に残っている言葉を挙げる。
【遊ぶとは、自然と共に暮らすこと】
【景観は10年、風景は100年、風土は1000年】
そして私は最近1000年前に書かれた『枕草子』について考えることがある。
春はあけぼの、夏は夜、秋は夕暮、冬はつとめて。
諏訪にいると、一つ一つの風景をありありとイメージできて、嬉しくなる。家の近くで蛍を見たこともある。
しかし、同時に不安も感じる。なぜか。
恐らく私は、季節がなくなってしまうかもと、焦りを感じているからだと思う。
明けの海 諏訪湖の冬の 喪失か
大学で出されたある課題「川柳」をわたしなりにつくるとこうなる。
1000年前からあった春夏秋冬がなくなってしまうのではないか。事実、諏訪湖の冬の風景は変化している。
小学生の時、夏休みの宿題で節電節水啓発のためのポスターを書いた。地球が暑くなって、どこか遠くにいるホッキョクグマが泣いていると。
凍らない海、凍らない湖、他なる生き物。
なるほど、小学生の私はホッキョクグマをワカサギと同じくらい近くに感じていたのかもしれない。
風景の変化にどのように向き合えば良いのだろう。
これから、この諏訪でどんな物語がはじまるのだろうか。
山々に 囲まれ 紡ぐ物語
春から開催される諏訪円卓会議でどんなお話が聞けるのか、楽しみに待ちたい。
結葉