イギリスという国は、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4つの連合国から成り立っています。それぞれの連合国に独自の法律があり、お金のデザインも違えば祝日なども少し違ったり、それぞれに国旗のデザインも違う・・日本人の私たちからすると少し不思議な感じがします。イギリスの旗のユニオンジャックは、イングランド、スコットランド、北アイルランドの旗のデザインを合わせたものです。ウェールズはちょっと違います。白と緑の背景に、赤いドラゴンが左を向いているものです。このドラゴンはアーサー王の伝説に出てくる救世主なのだそうです。
前置きが長くなりましたが、先日イングランドの西にあるウェールズを訪れました。私の住む場所からは車で休憩をはさみながら5時間ほどかかります。ウェールズに入ったとたんに目に留まるのが、英語の下に書かれているウェールズ語。車道の標識も、お店の中の小さな表示もすべて2か国語で書かれています。ウェールズに住む人は英語を話しますが、ウェールズ語も小学校から授業があり、言語と文化が存続されるように英語と同様に公用語として使われているそうです。
訪れた場所の一つは、首都のカーディフから1時間半ほど離れたテンビー(Tenby)という街。テンビーはカラフルな建物が並び、町の中心は沢山の観光客であふれています。イングランドで見たシーサイドのイメージ(カジノやゲームセンター、遊園地、フィッシュアンドチップスのお店が並ぶ雑然とした雰囲気)と違って、とても洗練された素敵な街でした。近くのビーチは駐車場から15分ほど歩きます。駐車場の近くにトイレと小さいカフェがあるだけで、ビーチの近くには何もありません。駐車場は満車になるほどにぎわっているのに、すっきりと美しい景観を保っている様子に感心してしまいました。
街を離れると壮大な自然が広がります。トウモロコシ畑、麦畑、沢山の羊や牛がのんびり草を食む姿が見えました。
イギリスに住んで18年になりますが、まだまだ知らない場所ばかりです。ウェールズにはまたいつか、ゆっくり訪れてみたいと思っています。
もりした かずこ
ヨーロッパ イギリス、ハートフォードシャー
2024/10/03
美惠子さん、コメントをありがとうございました。
私もこのような知識はイギリスに住んで得たもので、日本にいる頃はよくわかっていませんでした。それに、ウェールズのスーパーの品物の表示まで2か国語、というのは今回初めて見ました。ウェールズ語と英語の表示を見ると、綴りが少し似通っているのですが実際聞いても私は全然わかりません。
スコットランドはスコティッシュ・ゲール、アイルランドはアイリッシュ・ゲールという言葉がありますが、普通はみんな英語で会話するので実際にそれを使って生活している人たちにまだお会いしたことがありません。その代わりにお国訛りはよく聞きます。スコットランド訛り、アイルランド訛り、というのももちろん、イギリスには沢山の地方の訛りがあり、マンチェスター訛りだとか、コックニーというのもあります。コックニーというのは、マイ・フェア・レディの映画でも出てきますが、ロンドンやその近郊の一部の人のアクセント(訛り)です。あまりフォーマルな場所では好まれませんが、なんとなく東京の下町言葉の様な、その土地の人が話すと雰囲気があり、活気や言葉のリズムもあっていいなと思います。