お盆に先祖を迎える。
そんな気持ちで八月中旬をすごしたことが人生であっただろうか。
お盆前の日曜日、お家にお邪魔し机の上の精霊馬を見てハッとした。
お盆休みと言うと、家族で田舎に帰省するイメージであり、テレビで「帰省ラッシュ」という言葉を見ると共に「サラリーマンの休み」という印象がある。さらに、今はサラリーマンの休みは混雑を避けてお盆以外に休みを取得するらしい。もう家族でお盆に帰省するわけでもないので、私にとってのお盆は「普通の日」である。
聞いてみると、お盆の風習には地域性があるという。
この日は土橋谷戸のお盆のお料理をみんなで作った。
巻き寿司といなり寿司と白玉。手を動かしながらだと自然と人との距離も近くなるのは何故だろうか。もちろん味は、、、バツグンに美味しい、これは誰が作ったやつだとか、この組み合わせは美味しいみたいな他愛もない会話がさらに美味しく感じさせる。
順番は前後したが、「一枚の畑」ももちろん見させていただいた。連日の猛暑で畑は本調子ではないみたいだ。今回の発見は、畝によって土の乾き具合が全く異なること。方角や傾斜具合によって水はけも非日当たりも異なるらしい。一律の管理をするのではなく、木を見て土をみて、作物を見て、そこに適した手入れをしなければいけない。
果樹の実が確実に大きくなってきている、土手カボチャもいい感じ。嬉しい。
今回の畑にはバッタとカマキリと蝶とトンボをよく見た。生き物に挨拶をして畑を後にする。
お盆の過ごし方にも現代人の意識が表れていると思った1日だった。ハレとケの意識の薄れというのだろうか。先祖様が安心して帰ってこられる場所を用意できるイエでありたいと思った。
(松田理沙)
由井 英
川崎市宮前区
2024/08/15
理沙さん
いつも「一枚の畑」に気持ちを寄せてくれてありがとう。みなさんの期待に応えられるほど、私が教えられることはないのですが、ひとつひとつ気づいたことを写真や言葉に残してくれるのはとても嬉しいです。
理沙さんは、単に自然農で作物を作ることに留まらず、そこを入り口として「その向こう側」を見ているように感じています。今後、その向こう側が確かめられるといいですね。