「なぐ子はいねが~」の叫び声で全国的にも知られている、男鹿の「なまはげ」をご存知ですか?
男鹿(おが)は秋田県の北西部、日本海に面した小さな半島です。
日本海の美味しい天然魚が水揚げされる港町です。ハタハタが水揚げされるのもここ、男鹿です。
なまはげは、怖いお面をかぶった「鬼」と認識している人も多いようですが、実は「来訪神」なのです。
2018年12月、なまはげ行事は全国の9つの来訪神行事とともにユネスコの重要無形民俗文化財に登録されました。
参考までに、全国の10の行事が登録されています。
- 「甑島のトシドン(鹿児島県薩摩川内市)」「男鹿のナマハゲ(秋田県男鹿市)」「能登のアマメハギ(石川県輪島市・能登町)」
- 「宮古島のパーントゥ(沖縄県宮古島市)」「遊佐の小正月行事(山形県遊佐町)」「米川の水かぶり(宮城県登米市)」
- 「見島のカセドリ(佐賀県佐賀市)」「吉浜のスネカ(岩手県大船渡市)」「薩摩硫黄島のメンドン(鹿児島県三島村)」「悪石島のボゼ(鹿児島県十島村)」
これらの行事の特徴は
仮面・仮想の異形の姿をした者が、「来訪神」として正月に家々を訪れ、新たな年を迎えるにあたって怠け者を戒めたり、人々に幸や福をもたらしたりするもの、とされています。
男鹿地域では伝統的に旧正月(1月25日頃)に、ナマハゲが家々をまわり歩き、子供や若い嫁を戒めるという風習が古くからあります。
訪問する前後に神社で儀式を行い、家での迎え方も一定の形式があります。
お面は地域によって様々ありますが、桐で作られるそうです。*写真参照
「なまはげ」の由来はいくつかあるようですが、有力な説としては、「『なもみ』はぎ」が語源ではないかと言われています。
「なもみ」は囲炉裏(いろり)で長く暖をとっていと手足にできる火型(火斑)を意味します。冬の間は農作業もないため、家にこもっていることが多いですが、この手足にできたやけどのような跡がまさに、怠けていることの印とされ、そのような態度を戒める意味で、このナモミを剥ぎにやってくる「ナマハゲ」が誕生したといわれています。
私も小さいころ、ナマハゲが家に上がって、とても怖い思いをしたことを覚えています。
ですが、そのおかげで、何か悪いことをすると必ず大人から「なまはげが来るぞー!」と言われておりこうさんにしたものです。
幼いころは、怖いだけの鬼と思っていましたが、改めて由来や歴史を知ると、寒い冬を乗り切り戒めるための雪国ならではの知恵なのかもしれない、と思いました。
写真は、年に1度行われる、なまはげせどまつりの様子です。
雪がしんしんと降る中、灯篭を手にしたナマハゲが山から下山してくるというシーンは迫力満点でした。
全国的に有名なナマハゲ行事も、年々、若者の人口流出などによって、担い手が減ってきているのが現状です。
お面を作る人も減ってきています。
ですが、ユネスコ文化遺産に登録されたことで、外(観光客や専門家)だけではなく、内(地元の人)もその大事さを再認識してきており、後継者が減る心配も少し減ってきているのだとか・・・。
なんとか、このナマハゲ行事も次の世代、また次の世代へと受け継がれてほしいです。
次回は、ハタハタから見る、冬の地方ならではの食文化ついて紹介したいと思います!
TAMIKO
品川区
2020/02/23
斉藤さん
興味深い写真をたくさんありがとうございます。
私はまだ「なまはげ」体験したことがないのですが、いつか子どもたちと一緒におびえたいと思っています。
観光的な感じではなく、リアルな感じで体験したいと思っていますが、どうやったらいいのかわかりません〜。
なまはげの語源「『なもみ』はぎ」というのも、なんだか予想とはちょっと違っていて、びっくりしました。
次のおはなしも楽しみにしています。