私は他のヨーロッパの国に住んだことがないのでイギリスの事しか書けませんが、イギリス人のクリスマスに対する熱意に毎年圧倒されています。クリスマスの商品がちらほら出てくるのはなんと9月の終わりごろ。お店などは10月31日のハロウィンが終わった次の日から、総入れ替えでクリスマス一押しになります。
私の働いている保育園でも、聖書の話を子供たちに読み聞かせたり、クリスマスの歌、クリスマスの工作、保護者の方たちを読んで子供たちのクリスマスコンサートやクリスマスパーティー(ゲームをしたり、おやつを食べたりする日)まであります。子供たちの中には、他の宗教でクリスマスをお祝いしない子供もいます。その子たちには、ご家族の要望があれば無理にキリストのお話を聞かせたりできないことになっています。敬虔なキリスト教徒の家の子は、工作の時間に自分で十字架を3つ作って、とても詳しく私に聖書のお話を聞かせてくれました。3-4歳の子にいろいろと教えてもらって、私も今更ながらクリスマスをお祝いする意味を考えさせられました。
イギリスのクリスマスは、子供たちにとっては夢のようです。子供たちは寝る前に、トナカイのルドルフが食べるニンジン、サンタが食べるミンスパイ(ドライフルーツが入ったパイ)とお酒(シェリーとかブランデー)を暖炉の近くに置いておきます。サンタクロースが子供たちの寝ている間にストッキング(日本では靴下と言いますが、イギリスでは大きな靴下をクリスマス・ストッキングと言います)にプレゼントを沢山入れてくれます。子供たちは朝起きるとお皿の上のニンジンやミンスパイがが無くなっていることにまず大興奮。その後サンタさんのプレゼントを開封するというわけです。ストッキングには、本当にいろんなものが入っています。チョコレートなども含めて10個以上も入っていると思います。一つ一つ包装紙を開けて、こんなのが入ってた!と喜ぶのです。我が家は上の子はサンタの正体に気づいているようですが、プレゼントをもらえなくなると思って気づいてないふりをしている気がします。下の子はまだ夢の世界に住んでいるので、クリスマスの魔法は有効です。
こんなクリスマスを過ごすからこそ、大人になってからもイギリス人がクリスマスに熱心なのもよくわかります。
クリスマスの料理も、義理の姉はメニューや野菜の切り方から自分なりのやり方があります。何時ごろ何をして‥というその家なりの習慣もあり、日本人のお正月の準備と重なる部分があります。
職場ではクリスマスジャンパーデー(ジャンパーというのはイギリスではセーターなどの上着の事)というのがあり、クリスマスの柄のセーターをみんなで着てくるとか、大人も堂々とかわいいクリスマス柄のセーターを着たりします。私は今年保育園のイベントに合わせて、初めてクリスマスジャンパーというのを買いました。
子供たちは毎日カウントダウンしながら、もういくつ寝ると・・とわくわくしています。
私は今日はシュトーレンを作る予定です。
もりした かずこ
ヨーロッパ イギリス、ハートフォードシャー
2023/12/27
美惠子様
コメントをありがとうございました。
本棚のツリーは、ユーロスターも到着する大きな駅にあるので、きっと多くの人が目にされたことと思います。イギリスの人に「日本人はクリスマスをお祝いするのか」とよく聞かれますが、私が「クリスマスを楽しむ文化はあるけれど国民的な祝日では無いし、普通に仕事をして、お店もいつも通り営業している」と答えると多くの人は驚きます。日本人にとってはお正月がクリスマスに比例する行事かと思います。家族で集まったり特別なお料理を食べたり、神社やお寺にお参りに行ったり..(昔は元日にはお店も営業していなかった気がします)。イギリスのお正月はとてもあっけなく、年が明けると大抵1月2日から仕事です。子供たちは今年は4日から学校が始まります。
「闇の世界から光の世界へと転じる冬至の「一陽来復」を寿ぐ意味」は本当にその通りだと思います。暗くて寒い冬は自然と心も沈みがちになりますが、家族のつながりや感謝の気持ちを再確認してともに楽しむ行事というのは、それをを乗り切る為の人間の知恵ですね。
クリスマスキャロルは教会で歌うクリスマスの歌で、古く長い歴史があるようです(今度詳しく調べてみようと思います)。教会のミサで歌う他に、チャリティやコーラスのグループが野外で歌ったり、昔は家々を回ってドアの前で歌ったりしたそうです。