地域 ヨーロッパ

イギリスパンとShoku-pan

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料理

不明

少し前に、子どもが観ていたアニメーションの一場面で

 

「これはショクパンという日本のパンだよ!」

「フワフワしておいしいね」

 

というような会話が聞こえてきました。

 

「あれ?食パンって日本のパン?」

と一瞬考えてしまいました。

日本で生み出されたパンと言えば、あんパンやメロンパン、カレーパンなどを思い浮かべます。食パンは、トーストやサンドイッチ用に作られたパンで日本のオリジナルでは無いはず..なのですが、今や「ショクパン」は日本のミルクブレッドとして知られているようで、インターネットで「Shoku pan」を検索すると沢山出てきます。

 

これと反対に、日本のスーパーやパン屋さんには「イギリスパン」があります。

イギリスパンは、フワフワした日本の食パンと違って、パリパリのフランスパンの様な印象です。

日本のイギリスパンは、「上にふたをしないで焼いたので、山の形になっている」、というのがポイントだった気がします。

 

イギリスでも、ベーカリーやスーパーでこんな感じの焼きたてのパリパリのパンが売っています。

でも主流は、棚にずらっと陳列されている工場で作られた「ローフ」と言われるパン。5メートルぐらいの棚に、いろんなメーカーの「ローフ」が売られています。確かに上にふたをしないで山の形になっているパンが多いですが、日本の食パンのように蓋をして焼いて四角い形になったのもあります。

 

イギリスのローフは通常1.2ミリぐらいの厚さにスライスされていて、日本の食パンと比べると薄いです(日本のサンドイッチパンくらいでしょうか)。イギリスのトーストの焼き具合は、かなり濃いめのキツネ色で、薄いので食感はサクサク。日本での理想のトーストは、「外はカリっと、中はもっちり」という感じだったと思いますが、それとはだいぶ違うのです。

イギリスには「Thick(厚切り)」のパンも売られていますが、日本の厚切りに比べるとずっと薄かった気がします。

 

こんな風に「Shoku-pan (ショクパン)」と「イギリスパン」が、それぞれの国でいろんな解釈が生まれて広がっていることが何とも面白く、ここに書きたいと思ったのでした。

 

イギリスには他にも、マフィン、クランペット、バゲット(フランスパン)、ワッフル、ブリオッシュ、バーガーやホットドッグ用のパン、ラップと呼ばれる平べったい丸い形のもの、ライ麦パンやサワドーと呼ばれるライ麦を使った酵母パンや、たまにタイガーブレッドと呼ばれるパンも売っています。これらはまた別に紹介したいと思いますが、一般に多く買われるのはやはりダントツにこの「ローフ」だと思います。

 

イギリスで売られているパンにも美味しいものがありますが、日本のパンのクオリティもかなり高く、異文化を学んで独自に発展させてしまう日本の凄さを感じます。ですので、Shoku-pan(ショクパン)がイギリスで注目される理由も、なんとなく納得がいく気がするのです。

 

写真

スーパーの「ローフ」の棚
こんな風に、全粒粉が入ったものや、ヒマワリの種が入ったもの、それから全粒粉と精製された粉の半々のものもあります(子供には食べやすい)
ローフは通常、これくらい薄くスライスされています。
イギリスの子供番組 ©BBC
Sarah & Duck と呼ばれる子供のアニメで、日本の文化が度々出てきます。
2024/05/27

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