日本の暑い夏を3週間半過ごした後のイギリスは、すでに秋の様子が見えました。
帰って来た時の気温は17度で、肌寒いくらい。
そのギャップに最初は体も頭も追い付かず、子供たちは
「イギリスは寒いね。」
「蝉の声が全然聞こえないから、日本の方がいい」
などと話していましたが、1週間経ち、やっと20度前後の気温が心地よくなってきました。
地元の人たちに聞けば「今年の夏は天気が悪い日が多くて、庭で過ごした時間がとても少なかった」らしく少し不満顔。余裕がある人たちはスペインやギリシャで過ごしてきたようで、程よく日焼けした腕を見せてくれました。
いつもよく行く森はまだ緑の葉が茂っているものの、茶色い落ち葉が秋を感じさせました。
ぱっと目に付く赤い実は、ローズヒップや西洋サンザシ(Hawthorn)、黒々とした小さい実はエルダーベリー(エルダーフラワーの木になる実)です。
エルダーの木は調べてみると「ニワトコ」という植物に近いらしいのですが、私はあまり馴染みがありません。花は煮出して砂糖を加えてシロップを作ると、香りのよいジュースができます。(前に書きましたが、花には小さい虫が沢山住んでいて花を煮出す時に一斉に出てくるので、私はもう作る気がしません。)エルダーベリーもビタミンが豊富だそうですが、そのままで食べることはできず火を通すことが必要だそうです。調べたレシピにはクランブル、ジャム、パイなどがありました。
森に隣接している麦畑は、すっかり収穫が終わった後でした。刈り取った後の麦の茎はかなり頑丈で、
歩くときは気を付けなければいけません。これを、男性の少し伸びたひげと同じくStubble(スタブル)というのだそうです。
6歳の娘が麦の穂を見つけ、「これで小麦粉を作る」と集めていました。
秋になるとあっという間に長い冬がやってきます。Dark(暗い), cold(寒い) and wet(雨続き) の季節に入る前の、夏の終わりの天気の良い日々はとても貴重です。
日本で過ごした夏が、遠い日の夢のように思えてきました。