12月17日に、東京都埋蔵文化財センターで「ものがたりをめぐる物語」の後編が上映されました。今年の5月に同センターで前編が上映された続きの会です。今回は1時間ほどの上映後、シネマセッションと名付けた参加者との対話を2時間ほどさせていただきました。そこでのお話の様子は短く編集しショートムービーにして、今後公開する予定にしております。それとは別に、ここではアンケートに寄せていただいた感想やご意見を紹介します。なお、参加者の文章は筆者の意図を損なうことがないよう極力配慮しながら、一部、修正、加筆、編集をしております。
多くの方々にコメントを寄せていただきとても嬉しく思っています。今後の映画会や制作活動に活かして参ります。お言葉を寄せていただいたみなさん、ありがとうございました。とても参考になりました。(由井)
- 前編も参加しましたが、後編はより精神性・霊性に踏み込んだトークセッションになっていて、深い満足を感じました。私たちが失っているのは(壊されているのは)風土だけではない、日本人らしい“人情”の世界なのでは?と思いました。映像詩を読み解いていくような、とらえどころのない、つかみにくい難しいテーマを描いていると思いますが、ひとりひとりが様々な解釈を抱くことのできる、深い映画でした。
- 観た後から内省が始まる大作だと感じました。
- 陸前高田市の人々がいかに自然と風土の関わりを大切にしてきたのかが伝わってきた。
- とても綺麗な映像を拝見出来良かったです。ありがとうございました。おみわたり素晴らしいお祭りだと思います。湖面から湯気が上がっていたり…とても寒い中での撮影だったのだろうと察します。
- 流れた橋をかけ直し、完成した橋を老人や犬が渡る場面が印象に残った。近衛はなさん『ふたつの扉』読んでみたい。後編しか見ておらず、映画からは汲み取れないものもありました。映画のあとのセッションは少し長く感じました。もちろん参考になった事もありましたが、監督さんの意図するものを説明する場ではない気がしました。
- 監督の生の声で語られる機会がとても貴重で、心に残る行事となりました。予備知識なく後編を見ました。想像と違い、ドキュメントであり、人が生きていくという事は何か、考えさせられました。
- テーマが多く関連性は分かるがドキュメンタリーなのか? 災害の多い日本で先人の知恵や工夫や技術が活かされず現代の人間のおろかさが浮きぼりになっている。科学者や研究者を活かしたリスクアセスメント・マネジメントが出来ず事後に出てきて解説や能書を聞く浅はかさ。古代の土器や古地図なども先人の知恵や自然との共生が記されていると思う。便利で快適な生活だけを追い求める現代は自然の力に復讐されていると感じる。自然の一部である人間を忘れているので生活での共生が出来ずに、イジメや犯罪など多発する自己主張が増加し、やがて戦争に!日本人は島国根性と封建社会の土台の上に海外の思想を取り入れ、科学を導入して発展させたが無知と無理で崩壊する方向と感じる。
- 前回の続きに参加できた。楽しみにしていた。前編の内容を忘れてしまった…。見ながら少し思い出せたし、上映後のシネマセッションでたくさん振り返って頂いたが、後半を見ただけでも大いに楽しめたと思う。余韻のある、深く考えさせられるテーマであった。セッションもあり、参加しがいがあった。今日の気づきを人生の命題として考察し続けたいです。
- 上映後のスライドの資料のジョーゼフ・キャンベルの神話を読み解く部分、「ひとつからふたつ→旅立ち」という解釈が心に残りました。
- 冒頭からラストまでずっと感動しっぱなしで、胸を熱くしました。人々の営み、自然への関わり方、コトバが宝石のように至る所で輝いており、とても素晴らしいと思いました。観てよかったです!! 音楽と映像の美しさもとてもよかった!! 前半で前フリのあった2つの世界とは何ぞや?という問いに対して、今回後半で2つの世界をいったりきたりできる橋、おみわたり、蛇、竜…が一つの答えだったような気がします。知ることって感動するものだなと感じました。
- 前編は見ていないのですが、後編だけでも十分面白かった。髙田の橋の話は、何年もかけて取材されていて興味深かった。
- 挙手で発言させて頂きました。橋→かけ橋→過去と未来など映像でも、過去の写真が出てきて、それも「(かけ)橋」なのか?と…」 テーマと題名が少し離れているので、表題だけでは判らなかった。
- 橋のシーンが全てでした。役者として、あの老人のたたずまいや表情は再現しようと思っても出来ないなと思った。橋づくりされている方々が年配の方々だった?のがもったいないというか、若者も参加していてほしかった。風土とは何か、自分たちにはわからない。それでも笑顔がうまれる所にいたいです。
- 後編も良かった。しかし前編を観たのがもうずいぶん前なので、前編の内容をよく覚えていなかった。前編後編分けずに、通しで見せてほしい(長くてもいいから)。後編の木の橋をかけるシーンがよかった。「立派にかけても3日目に流れる。誰がかけたんだべこの橋というようにかければ3年は持ちます」、名せりふ。土地の古老がしゃべってるシーンは方言でよく聞きとれないので、下に字幕をつけてほしい。
- 今回の映画一回観ただけではもったいない気がしました。何度も観たいです。じわじわと体に効いてくるクスリ(漢方薬?)のような映画だと思いました。要するに重要なものがたくさん詰まっているということです。
- 前半、後半と分けずに1本の映画にした方が分かりやすいと思います。配信だけでなくDVDを売ってほしい。
- 映画上映だけでなく、監督のお話も伺うことができてめったにない貴重な機会をいただきました。ありがとうございました。真剣に見たと思う久しぶりの映画でした。人と風土(人智を超えるもの)との関係など、いろいろ考える所があり、見ることができて本当に良かった。映画に出演されている方々と思いを共有しているように感じました。
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