少し前になりますが、小倉美惠子さんをお招きしての小金井の「オオカミの護符」上映会が終了しました。
企画・運営の私たちは、NPO法人アートフル・アクションが主催する「たましらべ」という活動をしており、定期的に知りたいことのある人が調べ、そのことを共有し、皆で話しています。トークショーと銘打ちましたが、小倉さんのアフタートークも「たましらべ」式に、参加の皆さんと小倉さんとの対話形式で進み、大変楽しい会となりました。
いくつか面白いと感じたことを、ここにご報告させていただきます。
デザイナーの方から護符のデザインについて質問がありました。
戦前はそれぞれの神社の宮司さんが木で版をつくって手作りされていて、デザインは千差万別、バラバラとのこと。このことから、護符は上からの力で広がった文化ではないという小倉さんのお話でした。
また映画が制作されて15年経ち、その後どうなったのかという質問も出ました。
なんと「ニュー御嶽講」をつくろうとしているアーティストが現れたり、映画の中の根埋けの竹の子農家さんのお孫さんが跡継ぎとなり、ユニークな試みをして、そこに新しい人たちが集まってきているというお話しもありました。
参加者と小倉さんの対話は、映画に映し出された多摩のかつての暮らしが途切れかけていることへの危機感へと集約していったように思います。
それをどう継承していくのか。
ひとつは、血縁を超えて、旧住民と新住民とがともに繋いでいくことが求められているのではないでしょうか。
また、かつての暮らしを繋いでいくことには、「継承」を超えた力があるのだとも、小倉さんと参加者の対話から感じられました。
小倉さんから福島県飯館村の方のお話として「自分たちの生活を手放したから国家の力に飲み込まれたのだ」ということばにハッとしました。
小倉さんはいいます。「多摩はやられっぱなしだった」と。
かろうじて残っている多摩の伝統的な文化を継承していく新しい人と人の繋がりを、今回の上映会をきっかけにつくっていくことができたら、、、
いろいろな気づきを得られた上映会でした。
ご参加の皆さま、そしてお話をしてくださった小倉美惠子さん、ありがとうございました。