毎年この時期になると、武蔵御嶽神社から御師さんがお札を携えてやって来ます。
関東一円の村々に点在する「講社」を訪ね歩く講社回りには、今も御師の正装である紋付袴姿で
お越しです。神棚に新しいお札を掲げ、祝詞を奏上して下さいます。
農作物の作況を占う「太占(ふとまに)」は、牡鹿の肩甲骨を焼いて骨に入るヒビから
吉凶を占うもので、その様子は秘儀とされています。
(詳しくは、映画『オオカミの護符』あるいは新潮社刊『オオカミの護符』をご覧下さい)
かつては、富士山の富士講、相州大山の大山講、上州榛名山の榛名講など、信仰の山々に御師が
暮らし、下界の講中を訪ね歩いたと言いますが、今でもその形を保っているのは武州御嶽山の
御師のみといわれています。