「ものがたりをめぐる物語」が映画のゆかりの地、諏訪市で上映されます。前後編(各61分)完結初公開映画会になります。入場無料ですが、事前申込制です。ささらのウェブサイトからはすでにお申し込みを開始しております。
なお、新型コロナウイルス感染症対策のため急遽、入場数を制限したり、延期、中止になることがございます。事前に主催、共催団体のお知らせやウェブサイトなどの情報をご確認ください。
第29回すわ大昔フォーラム
・主催:諏訪市博物館・大昔調査会 ・共催:ささらプロダクション
作品:ものがたりをめぐる物語 前編 地下の国へ/後編 再び地上へ(各61分)
開催日:2022年 8月27日(土)
開場:12:30 /前編上映:13:10/後編上映:14:25/閉場:16:00
会場:諏訪市文化センター(収容人数904名)
諏訪市湖岸通り5−12−18
TEL:0266-58-4807
WEB: https://www.city.suwa.lg.jp/soshiki/41/
鑑賞料:無料(全席自由席・事前申込制)
申込み:TEL:0266-52-7080【諏訪市博物館】、https://sasala-pro.com/tickets【ささらプロ】
※ささらプロダクションでは、個人の皆様や企業、各種団体からの協賛金を募集しております。
ご協力頂けますと、映画の最後に流れるエンドロールやチラシなどにお名前(団体名)が表示されます。
詳しくは、「協賛のお申し込み」をご覧ください。
由井 英
川崎市宮前区
2022/09/06
鬼頭秀一さま
先日はお忙しいところ諏訪での映画会にご来場いただきありがとうございました。新型コロナウイルス感染症対策上、ご来場者の皆様から上映後にご質問やご感想を受けることができず、とても残念でした。通常の会であれば、きっと多くの人が映画に言葉を寄せてくださったのではないかと思います。
これは映画の面白い特徴だと思いますが、同じ映画を観てもその受け留め方は人によって様々です。その一方で、映画の作り手の代表である監督が映画について発言したり、解説することが映画の見方に方向性を与えたり、ときには映画の見方そものもを狭めてしまうことがあります。もしそうであれば、いったい自分は作り手としてどのように映画を届けていけるだろうかと悩んできました。
映画の出来、不出来、テーマへの賛否両論など、それはそれとして映画の見方ではありますが、それとは別に残像のように心に残る言葉や映像、音などは、むしろ「映画を観た人自身の記憶、あるいは無意識の領域に由来することのように思われ、それをその場に居合わせた人たちと交わし合い、確かめ合うことも同様に大切だと考えています。そうしたことはこれまでの映画を観る場で、あまり意識されなかったのではないかと思っています。
霧ヶ峰一帯で、青木正博や藤森栄一らがあの場所を守ろうとした動きは、「単なる運動」とは何か違うと思いつつ、それが何であるのか映画を完成した後もはっきりわからないでいました。それを鬼頭さんは、『純粋な「自然」ではなく、旧御射山神社の遺跡の風土にねざした文化遺産に関わるもの』と表現しておられます。
新田次郎が「霧の子孫たち」と青木や藤森らを含めた自分達のことをそう名づけたことから想像しても、彼らの中に風土との確固たるつながりが感じられていたことは疑いようもありません。しかし鬼頭さんがおっしゃるように、あの旧御射山神社の祠こそが風土へのつながりを象徴的に表す姿として彼らの心から離れなかったのではないかと改めて思い至りました。そう考えると、今もなおあの場所で神事が行われ続けていることの意味を深く感じ入らずには居れません。実は、諏訪市文化センターでの映画会の当日は、今年の旧御射山神事の日でもありました。
映画を観ることをきっかけにそうしたお互いの気づきを交わし合うことができれば、そこから何か新しいことが起きるのではないかと期待しています。仮にそうした場を上映会ではなく、「シネマセッション」と呼んでいますが、鬼頭さんと共にそうした場を企画できればと願っています。